100点満点の筋トレをやっても食生活が50点だと、肉体改造は50点の成果しか得られません。食事は1日3回も採りますが、筋トレは週に1回か2回です。食事を見直してこそ、筋トレの効果が最大限に得られます。

ただ、私たちの食事習慣は自分の都合だけで簡単に変えられるものではないですね。
例えば働き盛りの中高年はお酒のお付き合いが避けられないことが多いです。今回は肉体改造を目指す人のお酒の飲み方について解説します。

お酒は、筋肉を減らす(脂肪を増やす)という点で、4つのマイナス要素があります。

1つは、アルコールが筋肉の成長を促す「テストステロン」というホルモンの分泌を抑制することです。これによりタンパク質の合成を阻害しますので、筋肉の成長に悪影響を与えてしまいます。

2つめは、アルコールが筋肉の分解を進行させる「コルチゾール」というホルモンの分泌を助長することです。そのうえ筋トレで疲れた体や内臓に更なる負担を与えることになります。

3つめは、肝臓がアルコールを分解しようと優先的に働いてしまうことです。その間は肝臓によるタンパク質の代謝が活発に行われないため、筋トレで損傷した筋肉の回復が遅れることになります。

4つめは、アルコールに含まれる糖質や、アルコールと一緒に摂取する糖質、脂質が想像以上に多量になることです。飲酒は夜の時間帯が多く、そのまま就寝することで脂肪となって体内に蓄えられる可能性が高くなります。

以上のように、アルコールは、筋トレによる肉体改造に大きな悪影響を与えることになります。しかし、どうしてもお酒を飲まなければならない場合、次のようなポイントに注意することで、その悪影響を最小限にすることができます。

1.アルコールを飲む前に、タンパク質を摂取しておく。

アルコールによる筋肉分解を最小限にするため、タンパク質を摂取しておきましょう。手頃なものとして、チーズ、ちくわ、ゆで卵、プロテインバーなどを食べてから出かけると良いでしょう。

2.アルコールの摂取量が多くならないよう、水(チェイサー)を併せて飲む。

血中のアルコール度数を薄めるために、無意識にアルコールを飲みすぎてしまわないために、また、アルコールの早期体外排出を促すために、お水を併せて飲むことが大切です。

3.ビール、日本酒、ワイン、紹興酒などの醸造酒は最小限にする。

醸造酒は糖質を多く含むため、特に夜遅くの摂取は脂肪量を増やす要因になります。焼酎、ウイスキーなどの蒸留酒を薄めて飲むようにしましょう。これらのお酒は他人から注がれることも少なく、自分のペースで飲むことが出来ます。

4.おつまみを選べるならば、タンパク質の多い物を選ぶ。

枝豆、豆腐、卵、魚、肉など、タンパク質を多く含むものを食べましょう。野菜や食物繊維も良いです。焼きそばやパスタ等の麺類、フライドポテト、揚げ物、チャーハンなどは少なめに。調味料は出来るだけタレやマヨネーズでなく、塩やお酢やレモンを使いましょう。

5.締めのラーメンや、ご飯ものは食べない。

飲酒後のラーメン、ご飯ものは肉体改造の大敵です。理想の姿を思い、ぐっと我慢しましょう。

6.筋トレ後、24時間は飲酒をしない。

筋トレ後の飲酒は、筋肉の成長を阻害するばかりか筋肉を分解する可能性もあり、努力した成果を台無しにしてしまうため、何としても避けたいところです。

いかがでしたでしょうか? 飲酒はストレス解消のために決して悪いことではありませんが、楽しんで飲みながら、肉体改造も達成できるよう、飲み方を工夫していきましょう。