40代以降、とくに更年期を迎える世代に多い症状のひとつが膝の痛みです。

「更年期で年齢のせいだから仕方ない」「膝が痛いのは当たり前」と諦めていませんか?

実は膝の痛みは正しい原因の理解とストレッチで改善や予防が可能です。放置してしまうと歩行や階段の上り下りなど、日常生活に大きな支障をきたすこともあるため、早めの対策が大切です。

そこでこの記事では、更年期を含む中高年に多い膝の痛みの原因をわかりやすく解説し、膝の動きを改善するための効果的なストレッチ&トレーニング方法をご紹介します。

立ったり座ったりするたびに膝が痛む方、朝の動き出しに違和感を覚える方、加齢とともに膝の負担を感じる方はぜひ「膝の痛みが楽になるストレッチ」の実践方法をこの記事でチェックしてみてください。

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膝の痛みを治すストレッチの基本と注意点

膝を曲げる女性

膝の痛みを治したい時に一番大切なのは、無理をしてストレッチをしないことです。

特に痛みが強いときや腫れ・熱感があるときは、炎症を起こしている可能性があるため、ストレッチをしている方は今すぐ中止をして、まずは安静を心がけましょう。

体を無理に動かすと症状を悪化させる恐れがあります。更年期などの年齢が原因の場合も痛みを感じたら、整形外科を受診し、専門医の指導を受けることが大切です。

痛みが落ち着いてからであればストレッチはとても効果的です。筋肉をほぐして柔軟性を高めることで膝への負担を減らし、再発の予防にもつながります。

ここからは膝の痛みを治すストレッチを行うときの目安と、膝に痛みがある時にやってはいけない注意点について解説をしていきます。

膝の痛み改善にストレッチ&トレーニングが良い理由

膝の痛みをやわらげるためには、硬くなった筋肉をストレッチでほぐし、弱った筋肉をトレーニングで鍛えることがとても重要です。

ストレッチで関節まわりの柔軟性を取り戻し、トレーニングで筋肉のバランスを整えることで、膝への偏った負担がなくなり、痛みや不快感を軽減したり、予防したりすることができます。

膝は歩行や立ち座りの動作で「内旋(内側にひねる)」「外旋(外側にひねる)」を繰り返しています。

このバランスが崩れると痛みの原因になりますが、ストレッチとトレーニングを続けることで、脳と体が正しいバランスを覚え、根本的な改善や予防につながります。

膝の痛みを治すストレッチを行うときの目安

膝の痛みをやわらげるためのストレッチは、「やりすぎないこと」と「継続すること」が大切です。

そこで、膝の痛みを治すストレッチの目安を知っておくと安心して取り組めます。

  • 時間と回数:1動作は20〜30秒(柔軟性目的なら30〜60秒)を静止し、2〜3回繰り返して合計60秒程度。
  • 頻度とタイミング:週2〜3回以上、できれば毎日。
    ストレッチの開始前に軽い運動で体を温めてから行うと効果的。
  • 呼吸を止めないように行う。

更年期の方でもこうしたストレッチは有効とされているため、安全な範囲で日常的にストレッチを取り入れることが膝の痛み改善への近道になります。

膝に痛みがある時にやってはいけないこと

膝の痛みがあるときにはすべてのストレッチが安全というわけではありません。

たとえば、反動をつけて無理に膝を伸ばすようなストレッチは急激な動きによって関節や靭帯を傷めるリスクがあります。

また、正座や深いしゃがみ込みの姿勢を長時間とるストレッチにも注意しましょう。この状態は膝関節に強い圧迫がかかるため、変形性膝関節症などでは症状を悪化させかねません。

さらに、強い痛みを感じるのに我慢して続けるストレッチはやらないでください。痛みは体からのサインなので、今すぐ中止して休むことが必要です。

このように、自己流で続けていた膝のストレッチがかえって痛みを悪化させてしまうケースも少なくありません。だからこそ、どのストレッチが安全で効果的なのかを知ることが大切です。

膝の痛みの状況別で行えるストレッチ

ストレッチをする男性

「膝が痛い」といっても、その状況は人によってさまざまです。

朝起きた直後なのか座っているときなのか、それとも立っているときなのか、痛みがいつ出るかによって、取り入れるべきストレッチは変わってきます。

ここからは、座ったまま・立って行う・朝起きたとき・寝ながらできるといった状況ごとに、無理なく続けられる膝の痛みを治すストレッチを解説していきます。

今すぐできる座ったまま膝の痛みを治すストレッチ

椅子に座って行う太もも裏ストレッチ

「今すぐ膝の痛みを治したいけど、立ち上がるのも大変」というときにおすすめなのが、椅子に座ったままできるシンプルなストレッチです。

ストレッチのポイントは太ももの裏(ハムストリングス)をやさしく伸ばすことです。ハムストリングスがほぐれると膝の曲げ伸ばしがしやすくなり、歩行や立ち座りの動作も楽になります。

座ったまま膝の痛みを治すストレッチのやり方はとても簡単です。

椅子に座って行う太もも裏ストレッチ

①椅子に浅く腰かける。

②片足を前に伸ばし、かかとを床につける。

③つま先を少し上げる。

④背すじをまっすぐに保ったまま、上半身をゆっくり前に倒す。

⑤太ももの裏がじんわり伸びる位置で20〜30秒キープする。

⑥呼吸を止めずに行いましょう。

⑦左右を入れ替えて、2〜3回ずつ繰り返す。

体を無理に前に倒す必要はなく、「気持ちよく伸びている」と感じるところで止めるのが安全です。

今すぐできる立位で行う膝の痛みを治すストレッチ

立って行う太もも前ストレッチ

今すぐできる立った姿勢で行うストレッチは家事や仕事の合間にも取り入れやすく、膝の前面や内側の痛みを和らげるのに効果的です。

特に太もも前(大腿四頭筋)を伸ばすことで、膝のお皿まわりの負担を軽減できます。

立って行う太もも前ストレッチ

①壁や椅子に手を添えてバランスをとる。

②片足を後ろに曲げる。

③同じ側の手で足の甲をつかむ。

④かかとをお尻に近づける。

⑤太ももの前にじんわり伸びを感じたら20〜30秒キープする。

⑥左右を入れ替えて、2〜3回ずつ行う。

このストレッチを無理なく続けることで膝の曲げ伸ばしがスムーズになり、立ち座りや階段の上り下りが楽になります。

朝起きたときにおすすめの膝の痛みを治すストレッチ

ふくらはぎストレッチ

朝は筋肉や関節が固まりやすく、膝に痛みや重さを感じやすい時間帯です。

そこで布団の中やベッドの上でも今すぐできる、やさしいストレッチを取り入れてみましょう。

ふくらはぎストレッチ

①あお向けになり、両足を伸ばす。

②かかとを床につけたまま、足首をゆっくり脛(すね)の方に曲げ、つま先を胴体側に近づける。

③ふくらはぎがじんわり伸びているのを感じましょう。

④呼吸を止めずに20〜30秒キープする。

このストレッチを左右交互に2〜3回行うと、膝まわりが温まり朝の動き出しが楽になります。

寝ながらできる膝の痛みを治すストレッチ

寝ながらできる膝の痛みを治すストレッチ

夜は一日の疲れがたまって膝まわりがこわばりやすいため、寝る前にふくらはぎをほぐすと翌朝の動きが軽くなります。

そこで布団の中で寝ながらもできる簡単なストレッチをご紹介します。

寝ながらできるストレッチ

①あお向けになる。

②片足をまっすぐ持ち上げる。

③片足を上下に10〜20回ゆっくり動かし、血流を促す。

⑤反対側の足も同様に行いましょう。

このストレッチは寝る前の時間にも実践でき、更年期の方でも気軽に取り入れやすいものです。ぜひやってみましょう。

膝の痛みの部位別ストレッチ

膝を抑える男性

「膝が痛い」といっても、前側・内側・外側・裏側など、痛みを感じる部位によって原因や適したストレッチは異なります。

まずは自分の膝のどこに痛みを感じているのかをしっかり確認しましょう。痛む場所によってストレッチを変えることで、より効果的に症状を和らげることができます。

ここからは、膝の痛みの部位別でおすすめのストレッチを解説していきます。

膝の内側の痛みに効果的なストレッチ

膝の内側の痛みに効果的な内ももストレッチ

膝の内側が痛むときは太ももの内側やお尻まわりの筋肉がこわばっていたり、膝に余計な負担がかかっていることが多いです。

そのため膝を無理に動かすと逆効果になるため、やさしく伸ばすストレッチを取り入れるようにしましょう。

そこでおすすめなのが内もものストレッチです。

膝の内側の痛みに効果的な内ももストレッチ

①肩幅よりやや広めに足を開いて立つ。

②片方に体重をゆっくり移す。

③反対側の内ももが気持ちよく伸びているのを感じる。

④膝はつま先と同じ向きにそろえる。

⑤無理に押し広げず、自然な範囲で20〜30秒キープする。

膝の外側の痛みに効果的なストレッチ

膝の外側の痛みに効果的な外ももストレッチ

膝の外側が痛むときは太ももの外側を走る筋肉やスジ(腸脛靭帯)が硬くなっていることが多く、その張りをやさしくほぐすことが大切です。

そこでおすすめなのが寝ながらできる外ももストレッチです。

膝の外側の痛みに効果的な外ももストレッチ

①仰向けになり、両膝を軽く立てる。

②片方の足首を反対側の膝の上にのせる。

③足をのせた側の膝ごと、乗せた足の方向にゆっくり倒す。
(例:左足首を右膝にのせたら、右膝を左側へ倒す)

④太ももの外側が伸びているのを感じましょう。

⑤そのままの状態で20〜30秒キープする。

⑥反対側の足も同様に行う。

いずれも反動をつけず、痛みが出ない範囲で行うのが大切です。

膝の裏の痛みに効果的なストレッチ

かかとスライド

膝の裏が突っ張るように痛むときは、ふくらはぎや太もも裏の筋肉が硬くなっていることが多く、そこをやさしくほぐすのがポイントです。

まずはふくらはぎのストレッチとして、布団や床の上でできる「かかとスライド」がおすすめです。

膝の裏の痛みに効果的なかかとスライド

①仰向けになり、両足をまっすぐ伸ばす。

②片足のかかとを、伸ばしている足の膝のあたりまでゆっくり引き寄せる。

③元に戻す動きを10回ほど繰り返す。

⑤反対側の足も同様に行いましょう。

かかとスライドは膝裏をやさしく動かし、こわばりをほぐす効果があります。膝まわりの血流改善や柔軟性向上にもつながるため、効果的なストレッチです。

膝の前側の痛みに効果的なストレッチ

膝の前面の痛みに効果的な股関節ストレッチ

膝の前側が痛むときは太もも前の筋肉が硬いだけでなく、股関節の動きが悪くなって膝に余計な負担がかかっていることもあります。

そこで、膝に直接負荷をかけずにできる「股関節まわりのストレッチ」を取り入れると効果的です。

膝の前面の痛みに効果的な股関節ストレッチ

①椅子に浅く腰かけます。

②片膝を両手で抱えるようにして胸の方へゆっくり引き寄せます。

③背中を丸めないように姿勢を保ちます。

④そのまま20〜30秒キープします。

⑤股関節まわりがじんわりほぐれ、膝のお皿まわりの突っ張り感もやわらぎます。

⑥反対側の足も同様に行いましょう。

更年期に多い膝の痛みの原因

更年期以降になると、ホルモンバランスの変化や筋力低下、関節の柔軟性の衰えなどが重なり、膝の痛みを訴える方が増えてきます。

更年期以降で、特に多いのが膝のねじれによる痛みです。

私たちの膝は歩行や立ち座りの動作で「内旋(内側に回す)」「外旋(外側に回す)」という小さな回転を繰り返しています。

外旋させる筋肉の方が強いため、加齢や更年期による筋力低下や姿勢の崩れがあると、膝が外側に引っ張られやすくなります。

その状態が続くことで膝のお皿(膝蓋骨)が外側に傾き、歩行時に膝の内側に負荷が集中してしまいます。結果として、膝の内側の痛みや炎症が起こりやすくなるのです。

更年期は骨や筋肉が弱くなりやすい時期でもあるため、筋肉のバランスを整えるストレッチやトレーニングで膝のねじれを予防・改善することがとても大切です。

ただし、更年期の方はひとりだけで行うのは転倒などのリスクがあるため、可能であればジムを利用し、専門スタッフの指導を受けながら行うとより安心です。

今すぐできる膝の痛み予防のためのトレーニング

ダンベルと靴

膝を守るには、関節を柔らかくするだけではなく周りの筋肉を強くして支えることが大切です。

特に大腿四頭筋・ハムストリングス・内転筋をバランスよく鍛えることで膝への負担を減らし、痛みの予防につなげましょう。

ここからは、それぞれの部位を強化する具体的なトレーニングを紹介します。

今すぐできる大腿四頭筋の強化トレーニング

膝をしっかり支える力を高めるには、太ももの前側にある大腿四頭筋を鍛えることが欠かせません。

大腿四頭筋は膝のお皿を支える働きがあり、ここが弱くなると膝のぐらつきや痛みにつながりやすくなります。無理のない範囲でトレーニングをしてみましょう。

そこで自宅で手軽にできる「足上げトレーニング(ストレートレッグレイズ)」は、特におすすめの方法です。

足上げトレーニング(ストレートレッグレイズ)のやり方

①仰向けになる。

②片方の膝を垂直に曲げる。

③もう片方の膝は伸ばしたままにする。

④伸ばしたままの足を、かかとが床から20~30cmのところで5秒間キープする。

⑤ゆっくりと足を床におろして、2〜3秒間休む。

⑥これまでの動きを20回ほど繰り返します。同様に反対側の足も行いましょう。

無理なく継続することで膝の安定性が増すため、立ち座りや階段の上り下りが楽になるトレーニングです。

ハムストリングスの強化トレーニング

レッグカール

膝を安定させるためには、太ももの裏側にあるハムストリングスをしっかり鍛えることが大切です。

ハムストリングが弱いと膝が外に引っ張られやすくなり、痛みや不安定感につながります。その強化に効果的なのが「レッグカール」です。

レッグカールはジムのマシンを使うのが基本です。正しいフォームを確認できる動画を参考にしながら取り組むと、より効果を実感できます。

レッグカールのやり方

①マシンのパッドをふくらはぎの少し上に挟みます。

②脚を伸ばし、つま先をやや内側に向けます。

③パッドを挟んだまま、ゆっくり脚を曲げて戻します。

④5回行ったら、脚を曲げた状態で5秒間静止します。

⑤これを1セットとして、合計5セット繰り返します。

レッグカールはウエイトをかけすぎると外旋する筋肉を使ってしまう可能性があるため、マシンなどで負荷をかける際は軽い負荷から行うようにしましょう。

今すぐできる内転筋を鍛えるトレーニング

膝のぐらつきを防ぐには、太ももの内側にある内転筋を鍛えることが大切です。

自宅で手軽に始められるトレーニングが「ボール挟みトレーニング」です。

このトレーニングは道具は身近なもので代用できるので、ジムに行かなくてもトレーニングすることができます。

ボール挟みトレーニングのやり方

①太ももの間にボールを挟みます。

②息を吐きながら太ももでボールを5秒間つぶします。

③一旦力を抜きます。

④今までの動作を20回ほど繰り返します。

ボールの代わりに枕やクッションを使ってトレーニングをしても問題ありません。

膝の痛みを根本的に改善するなら心身健康倶楽部へ!

トレーニングをする女性

膝の痛みの主な原因はねじれですが、ねじれを根本的に治したい方は心身健康倶楽部へお越しください。

更年期に多い膝の原因の一つである膝のねじれは、正しいトレーニングで改善することが可能です。

しかし、1人では筋肉を鍛えながら膝のねじれを改善することは簡単ではありません。

心身健康倶楽部は中高年に特化したパーソナルトレーニングジムで、更年期で膝の痛みに悩んでいる方を何人も対応してきた実績があります。

そのため、中高年で更年期特有の体の動きやライフスタイルに合わせて、効果的なオリジナルメニューを提供することが可能です。

また、週1回60分の効率的なトレーニングで、忙しい方でも安心して続けられます。

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膝の痛み改善|まとめ

膝の痛みを改善するためには筋肉のバランスを整えることが欠かせません。特に内転筋やハムストリングスをしっかり働かせることで、膝関節が安定し、余分な負担を減らすことができます。

さらに、ストレッチで膝まわりの硬くなった筋肉をほぐし、狭くなりがちな可動域を広げることも重要です。

今回ご紹介したストレッチやトレーニングは、毎日の生活に取り入れやすく、無理なく続けられる内容です。

少しずつでも継続して行うことで、膝の動きが安定し、痛みの軽減や予防につながっていきます。

そして本当に大切なのは、筋力トレーニングで正しい筋肉の使い方を覚えていくことです。繰り返し行うことで膝にやさしい動きを身につけ、根本的な改善へと繋げていきましょう。

枝光 聖人
監修者

枝光 聖人

パーソナルトレーナージャパン株式会社
心身健康倶楽部代表取締役

枝光 聖人

パーソナルトレーナーとして現在も活動中で、日々お客様を対応している。
中高生の皆様の日常に特化したパーソナルトレーニングの指導と教育を得意とする。
過去25年以上にわたる実績をもとに、中高生専門パーソナルトレーニングジムを全国展開中。

保有資格

心身健康トレーナー養成スクール 総長 人間総合科学大学大学院 心身健康科学修士 厚生労働省認定 ヘルスケアトレーナー